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遺伝性腫瘍
Hereditary tumors

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遺伝性腫瘍(hereditary tumor)

がん患者さんの約5%~20%は、生まれつきがんになりやすいという特徴(病的バリアントまたは変異といいます)を持つと考えられています。このように、遺伝的な要因でがんの発症リスクが高まる体質のことを遺伝性腫瘍と呼びます。
遺伝性腫瘍は、適切なサーベイランス(遺伝情報に応じたきめ細やかかつ定期的な検査)やリスク低減処置を行うことで、がんの早期発見・早期治療だけでなく、がんの予防につなげることが可能です。

遺伝性腫瘍の割合が高いがんの一例として、乳がん、卵巣がん、膵がん、前立腺がんが挙げられます。この4つのがんの発症に関与する病的バリアントとその頻度が日本から報告されました(図1~4)。 BRCA1 , BRCA2 遺伝子を筆頭にそれぞれのがん種で様々な遺伝子が関与していることがわかります。このような状況から、日本においても数種類~数十種類の遺伝子を網羅的に調べる遺伝学的検査(マルチ遺伝子パネル検査)が普及しつつあります。

参考文献

1)Momozawa Y, et al. Nat Commun. 2018; 9(1):4083
2)Hirasawa A, et al. Oncotarget. 2017; 8(68):112258-112267
3)Mizukami K, E et al. EBioMedicine 2020; 60: 103033.
4)Momozawa Y, et al. J Natl Cancer Inst. 2019; 112(4): 369-376.